コルトレーンは永遠に不滅です
求道者としてのコルトレーン
マイルスからの信頼
1957年にマイルス(Miles Davis)の元を去ったコルトレーン(John Coltrane)は、一時セロニアス・モンク(Thelonious Monk)と行動をともにしましたが、翌1958年に再びマイルスの元に帰ってきます。そしてマイルスの新たな挑戦に大きな力を発揮することになります。マイルスの名盤「カインド・オブ・ブルー(Kind of Blue)」に参加、いわゆる「モード奏法」の一翼を担うことになるのです。
この頃、彼はマイルスから全幅の信頼を得ていたのです。
引用元:http://www.heartnotemusic.com/wine/wine_and_happy_days/2013/07/post-808.html
アトランティック時代
コルトレーンは、1959年「プレスティッジ(Prestige Records)」から「アトランティック(Atlantic Recording Corporation)」に移籍します。そして「ジャイアント・ステップス(Giant Steps)」というエポックメイキングとなるアルバムを発表します。これをもって彼は従来のバップから完全に別れを告げました。そのアルバムからタイトル・チューンをお聴きください。
翌年の1960年にマイルスグループを退いた彼は、マッコイ・タイナー(McCoy Tyner)、エルビン・ジョーンズ(Elvin Jones)等と組みツアー、録音と精力的に活動します。その一連の活動の中から商業的にも大ヒットした「My Favorite Things」が録音されることになります。
「My Favorite Things」でのソプラノサックス(soprano saxophone)の使用は、その後のジャズ界でこの楽器が当たり前のように使用されるきっかけとなるものでした。
- アーティスト: John Coltrane
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インパルスへ、そして・・・
アトランティックからインパルス(Impulse! Records)への移籍前後のアルバムについては前々回のドルフィー(Eric Dolphy)との共演の稿で紹介しました。それを今一度聴き返していただければと思います。
ドルフィーと別れて以降の数年は、当時リリースされたアルバムについては、一般受けを意識したような若干角のとれたような耳障りの良い作品が続きます。しかし、当時、アルバムにはならなかった録音が明らかになるにつれ、ライブ現場での音楽活動は、アルバムの様子とは全く異なる尖鋭的な演奏をそれも長時間にわたってくりひろげられていたことが明らかになってきています。
そして、1965年6月に問題の「アセンション(Ascension)」を発表します。当時、コルトレーンがフリージャズ(free jazz)に踏み込んだことで賛否両論、大変な騒ぎになりました。
では、「アセンション」をお聴きください。どうお感じになるかはお任せします(笑
- アーティスト: ジョン・コルトレーン,ジミー・ギャリソン,アート・デイビス,マッコイ・タイナー,フレディ・ハバード,デューイ・ジョンソン,アーチー・シェップ,ファラオ・サンダース,ジョン・チカイ,マリオン・ブラウン
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「アセンション」の発表から二年後、コルトレーンは肝臓癌で短い生涯を閉じます。
ありふれた思考で恐縮ですが、それでもやはり考えてしまうのです。「もし、コルトレーンがもっと長生きして、21世紀までジャズをやり続けたらジャズはどうなっていただろう。マッコイ・タイナーがまだ元気に(?)活動しているし、マイルスだって結構長く活動したし・・・
アーチー・シェップ(Archie Shepp)は「アセンション」にも参加しているし、私の大好きな(ひょっとしたらコルトレーンより好きかも)サックスプレイヤーですが、若い頃はNYC5(New York Contemporary 5)での活動を始めコテコテのフリージャズをやってたのに、どんどん角が丸くなってきて、それでもふとした瞬間にバキューンと尖鋭的なアドリブかますような痺れたオヤジになってる。そんな風に「アセンション」のような世界に踏み込んだコルトレーンはきっともっとすごいオヤジになってたんじゃないかと勝手な想像をしてしまいます。
現在での系譜
今現在、世界の第一線で活躍しているサックスプレイヤーはほとんどコルトレーンの流れを踏襲した演奏をしています。コルトレーンの子どもや孫だらけです。
そんな中から紹介します。最近私が気に入っているアルバム、ベン・ウィリアムス(Ben Williams)の「Coming of Age」から「Strength and Beauty」。テナーはマーカス・ストリックランド(Marcus Strickland)です。