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ドルフィーのバスクラを聴け

ジャズ(Jazz)を中心とした洋楽を、アップルミュージック(Apple Music)で聴けるように紹介していきます。

ローランド・カーク(Roland Kirk):有り余る才能を発揮

 長生きして欲しかった

 サックス何本もくわえて(笑

ローランド・カークRoland Kirk)はチャールズ・ミンガスCharles Mingus)のアルバム「Mingus at Carnegie Hall」で初めて出会いました。私の大好物のサックスでした。で、ローランド・カークのことを調べてみると、「サックスを複数くわえて吹く」とのことでした。「エエエ???何、それ?」って思っていて、レコード聴いてもあんまりわかんなくて、そのまま忘れていたんですが、ある日YouTubeかなんかでそれ見ちゃったんですよ。驚きましたねぇ~~~。こんなことは他に誰も出来ないんじゃないの?!と思ってたんですよね。ところが、私の店でレギュラー的にライブをやってくれていたサックスプレイヤーの黒田雅之氏(以下クロちゃん)が二本くわえて吹いてたんですよね。クロちゃんは「出来なくはないっすよ!」と軽く言ってました(笑。

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引用元:http://www.iconsofjazz.com/

 映像で観てください

観たことない方にお見せしましょう。


Rahsaan Roland Kirk - The Inflated Tear [Live in Prague, 1967]

笑っちゃいますが、本人はいたって真面目だし、評価も高いんですよね、これが。

クロちゃんが複数くわえているのは確か映像に残したんですが、YouTubeにはあげてないんで、残念ながらここで紹介は出来ません。しかし、せっかくクロちゃんの名前を出したんで、YouTubeにあげたクロちゃんの映像も紹介しちゃいましょう。


Oleo

ギターは前にも紹介したneaさんです。

鋭い感覚

ちょっと脇にそれましたので、ローランド・カークに話を戻します。日本人はジャンル分けが大好きで、何でもジャンルでくくりたがります。で、ローランド・カークはどういうジャンルに入れられたかというと「グロテスク・ジャズ」だそうです(笑。なんじゃそれ?つう感じですよね。冗談みたいですが、そういう輩がいるんですよね。そういう奴の方が「グロテスク」ですよ。

あ、そうそう、彼は幼少期に失明してるんですよ。だから、視覚以外の感覚が研ぎ澄まされたのかもしれません。リードを振動させる唇や口の感覚も鋭いから複数鳴らすことが可能になったんじゃないでしょうか。

ドルフィーの影

1965年にリリースされたアルバム「Rip, Rig and Panic」を聴いていただきましょう。「Rip, Rig & Panic」と「Slippery Hippery Flippery」の二曲です。

 

リップ、リグ&パニック

リップ、リグ&パニック

 

 

Rip, Rig and Panic

Rip, Rig and Panic

 

Slippery Hippery Flippery

Slippery Hippery Flippery

 メンバーは下記の通りです。

Roland Kirk: tenor saxophone, stritch, manzello, flute, siren, oboe, castanets
Jaki Byard: piano
Richard Davis: bass
Elvin Jones: drums

豪華なメンバーですね。1965年といえばエリック・ドルフィーが亡くなった次の年ですよね。Jaki Byardが活き活きと演奏しているのを聴くと、ドルフィーの影をローランド・カークに見出したんじゃないかなと思ってしまいます。

 一流ミュージシャンの証明

 複数吹くということ以外に、ローランド・カークは循環呼吸(円環呼吸)という特殊な呼吸法を体得しており、息継ぎ無しで吹き続けることが出来ました。これからも分かるように彼はジャズミュージシャンとしても一流だし、先ほどのアルバムを聴いていただいてわかっていただけたと思いますが、最初ノイジーに始まり、演奏自体は極めて先進性が高く進行して行きますが、基本的にはバップを大きく逸脱することはありません。イントロ部分や途中で挟み込まれた一聴ノイジーと感じられる部分もよく聴けばハーモニックであり、アンサンブルとして違和感は覚えません。目が見えないローランド・カークに聴こえる喧騒であったり心象風景であったりすることが理解出来ます。

1972年リリースの「A Meeting of the Times」から「Do Nothin' Till You Hear from Me」と「Lover, Come Back to Me」の二曲をお聴きください。

 

 

Do Nothin' Till You Hear from Me

Do Nothin' Till You Hear from Me

 

Lover Come Back to Me

Lover Come Back to Me

 メンバーは下記の通りです。

Rahsaan Roland Kirk: tenor saxophone, manzello, stritch, flute, clarinet, baritone saxophone
Al Hibbler: vocals (tracks 1-5, 7 & 8)
Hank Jones: piano (tracks 1-8)
Ron Carter: bass (tracks 1-8)
Grady Tate: drums (tracks 1-8)
Leon Thomas: vocals (track 9)
Lonnie Liston Smith: piano (track 9)
Major Holley: bass (track 9)
Charles Crosby: drums (track 9)

このアルバムを聴いて、先のアルバムとのギャップをおもしろく感じます。こういうところがローランド・カークらしいと言えばそうなんですけど、感性のままに生きているって感じがします。

 

ローランド・カークは1977年に40代そこそこで亡くなってしまいました。脳卒中でした。夭折と言える死でした。

最後に遺作を聴いてみましょう。「Boogie-Woogie String Along for Real」から「I Loves You, Porgy」と「In a Mellow Tone」の二曲をお聴きください。

 

 

I Loves You Porgy

I Loves You Porgy

 

In a Mellow Tone

In a Mellow Tone

 言い古された言い回しですが、惜しい人をなくしました。

ちなみに、このアルバムを吹き込んだ時点で彼は半身不随でした。1975年に最初の脳卒中にみまわれ、片手が効かなくなっていました。楽器を片手で演奏出来るように改良していたのです。

あ、忘れていました。メンバーは下記の通りです。

Roland Kirk: tenor saxophone, harmonica, electric kalimba, clarinet, flute, vocals
Steve Turre: trombone (tracks (1, 4, 7 & 8)
Hilton Ruiz: keyboards (tracks 4, 7 & 8)
Phil Bowler: bass (tracks 1, 4, 7 & 8)
Sonny Brown: drums (tracks 1, 4, 7 & 8)
Percy Heath: cello (tracks 4 & 8)
Sammy Price: piano (tracks 1-3, 5 & 6)
Tiny Grimes: guitar (tracks 2, 3, 5 & 6)
Arvell Shaw: bass (tracks 2, 3, 5 & 6)
Gifford McDonald: drums (tracks 2, 3, 5 & 6)
William S. Fischer: arranger, electric piano (track 1)
Eddie Preston: trumpet (track 1)
Jimmy Buffington: french horn (track 1)
Harold Kohon, Sanford Allen, Kathryn Kienke, Regis Iandiorio, Tony Posk, Yoko Matsuo, Doreen Callender: violin (track 1)
Selwart Clarke, Linda Lawrence, Julien Barber: viola (track 1)
Eugene Moye, Jonathan Abramowitz, Charles Fambrough: cello (track 1)