ジャッキー・バイアード(Jaki Byard):謎の死が神秘のベールに包む
ドルフィーとの共演が印象的
ミンガス周辺に偏る
ミンガスつながりでジャッキー・バイアード(Jaki Byard)です。「ジャキ・バイアード」と表記されることがあります。1962年~1964年頃、ミンガスのグループで数多くのサイドマンとしての録音を残しています。その中でエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)とも共演し、ドルフィー名義のアルバムでも数枚共演しています。その他ブッカー・アーヴィン(Booker Arvin)との共演でもいくつかのアルバムを残しています。キャリアの年数の割に録音枚数はそれほど多くなく、共演しているミュージシャンもミンガス周辺に偏っていることもあって我が国ではあまりメジャーではありませんが、非常に評価の高いピアニストです。
引用元:http://jazzinsideandout.com/tag/jaki-byard/
初リーダーアルバム
ジャッキー・バイアードはアルト・サックスをはじめトランペットやその他の楽器もこなし実際に録音もしているというマルチプレイヤーとして有名ですが、ここはやはりピアニストということにしておきます。
1961年に録音された「Here's Jaki」というアルバムがあります。長年このアルバムがジャッキー・バイアードの初リーダーアルバムとされていましたが、1980年頃になって1960年録音のソロアルバム「Blues for Smoke」がリリースされ、入れ替わりました。「Here's Jaki」から聴いていただきましょう。「Cinco y Quatro」と「Mellow Septet」の二曲です。
メンバーは下記の通りです。
Jaki Byard – piano, alto saxophone
Ron Carter – bass
Roy Haynes – drums
エリック・ドルフィーとの共演
いずれにしろ、初リーダーアルバムが30代後半ということで若干遅咲きの感がありますが、プロデビューは15歳と早く、それから若い時代はハーブ・ポムロイ楽団、メイナード・ファーガソン楽団と楽団員のピアニストで過ごしていたのです。初リーダー以降、メイナード・ファーガソン楽団を辞してミンガス等と共演しソロ活動を始めたのです。そして、1962年にはエリック・ドルフィーと共演し名作「Far Cry」に参加します。ドルフィー命の私としましては、ここはジャッキー・バイアードのリーダーアルバムではなくこの「Far Cry」を聴いていただくことにします。わがままをお許しください(汗。では「Far Cry」から「Miss Ann」と「It's Magic」の二曲をお聴きください。

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メンバーは下記の通りです。
Eric Dolphy – bass clarinet on "Mrs. Parker of K.C.," "It's Magic," and "Serene"; flute on "Ode to Charlie Parker" and "Left Alone"; alto sax all other tracks
Booker Little – trumpet
Jaki Byard – piano
Ron Carter – bass
Roy Haynes – drums
エリック・ドルフィーとブッカー・リトル(Booker Little)という最強メンバーの中でひけをとらない演奏です。実はこのアルバムで私自身はジャッキー・バイアードのことを知り「ただものではない!」と思った次第です。
The Jaki Byard Experience
1968年リリースの「The Jaki Byard Experience」というアルバムがあります。そのアルバムから「Hazy Eve」と「Shine on Me」の二曲をお聴きください。前回のローランド・カーク(Roland Kirk)も参加しています。

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謎の死
1999年2月11日、ジャッキー・バイアードは自宅で何者かに銃で頭を撃ちぬかれて射殺されます。何者かが盗みに入った形跡もなく周辺にトラブルもなく、この事件は今だに謎のままです。