アビー・リンカーン(Abbey Lincoln):謎の多い方です
60歳を超えて活動再開した珍しい歌手
公民権運動の闘志
今回はアビー・リンカーン(Abbey Lincoln)ですが、何故彼女なのか?マックス・ローチ(Max Roach)と十年間結婚していたからです(汗。いやいや、結婚していた以上に、彼女は公民権運動においてマックス・ローチと同志関係にあったということが実は重要なことでありまして、元々公民権運動に熱心に取り組んだのはマックス・ローチの方だったわけですが、イメージとしては彼女の方がより公民権運動の闘志と思われているキライがあります。そのイメージが強いのか日本では彼女は歌手としてあまりメジャーになりきれなかったという話もあります。
引用元:http://www.improvisedlife.com/2014/10/06/song-monday-throw-away/
ジャジーに歌う
彼女はバリバリのジャズ歌手というイメージはなく、どちらかというとジャジーに歌うシンガーであるというイメージですね。ジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)なんかも同じなのかなと思ってます。オリジナルの曲も多いですしね。
1961年にリリースの「Straight Ahead」から「Blue Monk」と「Left Alone」の二曲をお聴きください。
- アーティスト: Abbey Lincoln
- 出版社/メーカー: Candid Records
- 発売日: 1988/08/01
- メディア: CD
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このアルバムのメンバーがまた凄いんですよね。ドルフィーのファイブ・スポット・セッションのメンバーとダブったりして。下記の通りです。
Abbey Lincoln — vocals
Booker Little — trumpet
Julian Priester — trombone
Eric Dolphy — alto saxophone, bass clarinet, flute, piccolo
Walter Benton, Coleman Hawkins — tenor saxophone
Mal Waldron — piano
Art Davis — bass
Max Roach — drums
Roger Sanders, Robert Whitley — congas
90年代に活動再開
1960年代はマックス・ローチとの結婚生活で活動は休止、1970年代、80年代はほとんど活動せず、と謎の多い彼女ですが、1990年代になって活動を再開。
1992年にリリースした「When There Is Love」でハンク・ジョーンズ(Hank Jones)と共演。めずらしく全曲スタンダードで、さすがミスター・スタンダードとの共演ですね(笑。そのアルバムから「The Nearness Of You」と「Time After Time」の二曲をお聴きください。
ホエン・ゼア・イズ・ラウ゛(When There Is Love) (MEG-CD)
- アーティスト: Abbey Lincoln/Hank Jones(アビー・リンカーン/ハンク・ジョーンズ)
- 出版社/メーカー: 株式会社ミュージックグリッド
- 発売日: 2013/09/11
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Abbey Sings Abbey
60歳を超えてから活動再開とは何か珍しい話ですが、再開してから亡くなるまでにリリースしたアルバムの数はそれ以前にリリースした枚数とほぼ同じですから、おもしろいですね。彼女の遺作になった2007年の「Abbey Sings Abbey」は、実は私が彼女のアルバムの中では一番好きな一枚なんですよ。ジャズアルバムというより一流のボーカルアルバムだと思っています。彼女が持つ独自の世界に引き込まれます。そのアルバムから「The Music Is The Magic」と「Learning How To Listen」の二曲をお聴きください。