ドルフィーのバスクラを聴け

ジャズ(Jazz)を中心とした洋楽を、アップルミュージック(Apple Music)で聴けるように紹介していきます。

アビー・リンカーン(Abbey Lincoln):謎の多い方です

 60歳を超えて活動再開した珍しい歌手

 公民権運動の闘志

今回はアビー・リンカーン(Abbey Lincoln)ですが、何故彼女なのか?マックス・ローチMax Roach)と十年間結婚していたからです(汗。いやいや、結婚していた以上に、彼女は公民権運動においてマックス・ローチと同志関係にあったということが実は重要なことでありまして、元々公民権運動に熱心に取り組んだのはマックス・ローチの方だったわけですが、イメージとしては彼女の方がより公民権運動の闘志と思われているキライがあります。そのイメージが強いのか日本では彼女は歌手としてあまりメジャーになりきれなかったという話もあります。

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引用元:http://www.improvisedlife.com/2014/10/06/song-monday-throw-away/

 ジャジーに歌う

彼女はバリバリのジャズ歌手というイメージはなく、どちらかというとジャジーに歌うシンガーであるというイメージですね。ジョニ・ミッチェルJoni Mitchell)なんかも同じなのかなと思ってます。オリジナルの曲も多いですしね。

1961年にリリースの「Straight Ahead」から「Blue Monk」と「Left Alone」の二曲をお聴きください。

 

Straight Ahead

Straight Ahead

 

 

Blue Monk

Blue Monk

 

Left Alone

Left Alone

 このアルバムのメンバーがまた凄いんですよね。ドルフィーのファイブ・スポット・セッションのメンバーとダブったりして。下記の通りです。

Abbey Lincoln — vocals
Booker Little — trumpet
Julian Priester — trombone
Eric Dolphy — alto saxophone, bass clarinet, flute, piccolo
Walter Benton, Coleman Hawkins — tenor saxophone
Mal Waldron — piano
Art Davis — bass
Max Roach — drums
Roger Sanders, Robert Whitley — congas

90年代に活動再開

1960年代はマックス・ローチとの結婚生活で活動は休止、1970年代、80年代はほとんど活動せず、と謎の多い彼女ですが、1990年代になって活動を再開。

1992年にリリースした「When There Is Love」でハンク・ジョーンズHank Jones)と共演。めずらしく全曲スタンダードで、さすがミスター・スタンダードとの共演ですね(笑。そのアルバムから「The Nearness Of You」と「Time After Time」の二曲をお聴きください。

 

ホエン・ゼア・イズ・ラウ゛(When There Is Love) (MEG-CD)

ホエン・ゼア・イズ・ラウ゛(When There Is Love) (MEG-CD)

 

 

The Nearness of You

The Nearness of You

 

Time After Time

Time After Time

 Abbey Sings Abbey

60歳を超えてから活動再開とは何か珍しい話ですが、再開してから亡くなるまでにリリースしたアルバムの数はそれ以前にリリースした枚数とほぼ同じですから、おもしろいですね。彼女の遺作になった2007年の「Abbey Sings Abbey」は、実は私が彼女のアルバムの中では一番好きな一枚なんですよ。ジャズアルバムというより一流のボーカルアルバムだと思っています。彼女が持つ独自の世界に引き込まれます。そのアルバムから「The Music Is The Magic」と「Learning How To Listen」の二曲をお聴きください。

 

Abbey Sings Abbey

Abbey Sings Abbey

 

 

The Music Is the Magic

The Music Is the Magic

 

Learning How to Listen

Learning How to Listen