マッコイ・タイナー(McCoy Tyner):コルトレーンから離れて開花した
豪快で華やかなピアノ
歳とっても頑張る
頑張る年寄りつながりで、今回はマッコイ・タイナー(McCoy Tyner)です。アルバムのリリースこそほとんどなくなりましたが、まだまだ元気にステージをこなしている姿がYouTubeでは見ることが出来ます。少し前になりますが、2009年の東京ジャズにも来日しましたから実際にステージをご覧になった方もいらっしゃることと思います。ただ、往年のパワフルな演奏は影を潜めていることは仕方ないことです。また、噂では、「9.11」以降一時干されていたとも聞きます(彼は敬虔なイスラム教徒と言われてます)が、真偽の程はわかりません。また、彼の弟はアメリカ共産党のvice chairmanだということも若干きな臭い(?)政治的な姿も見えなくはありませんが・・・
引用元:https://commons.wikimedia.org/wiki/File:McCoy_Tyner_02.jpg
マッコイ・タイナーの苦悩
マッコイ・タイナーと言えばまず頭に浮かぶのはジョン・コルトレーン(John Coltrane)との共演の数々です。アルバムにして30近くあります。しかし、その期間は意外に短く1960年から1965年までの6年足らずのことでした。マッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)、エルヴィン・ジョーンズ(Elvin Jones)の三人のサポートはコルトレーンのイマジネーションをかきたてるのに効果的だったのかもしれません。しかし、それはマッコイが望む以上にコルトレーンの演奏を尖鋭化し、もはやマッコイはコルトレーンにはついて行けないと判断、1965年一杯でコルトレーンの元を離れます。マッコイが苦悩する姿をコルトレーンのアルバム「Meditations」で感じてください。録音は1965年11月23日ですから、この録音をもってマッコイは決意したんだと予測します。「Compassion」と「Consequences」の二曲をお聴きください。
- アーティスト: ジョン・コルトレーン,ファラオ・サンダース,マッコイ・タイナー,ジミー・ギャリソン,エルヴィン・ジョーンズ,ラシッド・アリ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
- 発売日: 2015/05/13
- メディア: CD
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メンバーは下記の通りです。
John Coltrane – tenor saxophone, band leader
Pharoah Sanders – tenor saxophone
McCoy Tyner – piano
Jimmy Garrison – double bass
Elvin Jones – drums
Rashied Ali – drums
ブルーノートからマイルストーン
コルトレーンによるある種の呪縛から抜けだしたマッコイ・タイナーは、一気に花開いた感があります。ブルーノートと契約し、1970年までに7枚のアルバムをリリースします。次にマイルストーンと契約、この頃のマッコイは絶好調です。私の大好きな一枚「Sahara」から「A Prayer for my Family」と「Rebirth」を聴いて下さい。
- アーティスト: マッコイ・タイナー,ソニー・フォーチュン,カルヴィン・ヒル,アル・ムザーン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2012/10/10
- メディア: CD
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メンバーは下記の通りです。
McCoy Tyner - piano, koto (3), percussion (5), flute (5)
Sonny Fortune - alto saxophone (4), soprano saxophone (1, 5), flute (3, 5)
Calvin Hill - bass, reeds (3, 5), percussion (3, 5)
Alphonse Mouzon - drums, trumpet (5), reeds (5), percussion (3, 5)
McCoy Tyner with Stanley Clarke and Al Foster
最後に2000年にリリースされた「McCoy Tyner with Stanley Clarke and Al Foster」を聴いていただきましょう。60を超えていますが、まだまだ往年の華麗なピアノは健在です。今回初めて聴いたのですが、こんなに良いアルバムとは知りませんでした。全曲リストに入れて聴くことにします。
とりあえずメンバー表記もしておきます。
McCoy Tyner: piano
Stanley Clarke: bass, electric bass
Al Foster: drums
では、「I Want to Tell You 'Bout That」と「The Night has a Thousand Eyes」の二曲をお聴きください。