マーティン・ウインド(Martin Wind):もっとメジャーになっていいんじゃない?
ジャズという音楽の地位を向上させる功労者
ジャズ・バルティカ
毎年7月から8月にかけてドイツで開催されている「ジャズ・バルティカ」というジャズ・フェスティバルがあります。これがなかなかレベル高いんですよね。ヨーロッパのそれもドイツということになればやっぱりクラシック音楽のメッカです。それが証拠に、このジャズ・バルティカが開催されている同時期、同地では「シュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭」というクラシック音楽の大きなフェスティバルが開催されています。要するにジャズ・バルティカはそれに伴って開催されるようになったってことだと思います。実際に2002年からジャズ・バルティカはシュレースヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭の一部として正式に組み込まれたようです。昔からヨーロッパのジャズの尖鋭的な部分はクラシック要素が入り込んでくるようなイメージがありましたが、このジャズ・バルティカはまさにそのようなジャズ・フェスティバルです。
私がこのフェスティバルのことを知ったのはYouTubeの映像でした。YouTubeでジャズ・バルティカに絞り込んで様々な映像を観て聴いてしていると、そのフェスティバルの中心的存在としてマーティン・ウインドというベーシストがいることに気づきました。
引用元:https://www.allaboutjazz.com/turn-out-the-stars-martin-wind-what-if-music-review-by-mark-corroto.php
ジャズフェスならではのメンバー
まず、ジャズ・バルティカの映像をご覧下さい。
Martin Wind - Live at Jazz Balitca 2010 - "Early Morning Blues" Part 1
これはバリバリのバップジャズですが、何と言ってもメンバーが凄いですよね。新進気鋭のサックスプレイヤー、マーカス・ストリックランド(Marcus Strickland)、今やサックス界の御大、クリス・ポッター(Chris Potter)、ピアノ界屈指のテクニシャン、ベニー・グリーン(Benny Green)、私的には大好物の変態ドラマー、マット・ウィルソン(Matt Wilson)。豪華つうかなんつうか、こういうフェスティバルでないと実現しないメンバーですよ。
ジャズにとらわれない上質音楽
もう一本、YouTube映像をご覧下さい。
Ulf Meyer & Martin Wind - Gandhi
こういう音楽をさせたらマーティン・ウインドは本領を発揮するようです。ジャズというスタイルにこだわらず、民族音楽などの要素を取り込んだ上質な音楽を創造していくのはやはりヨーロッパという風土が成せる技なのかもしれません。
クラシックテイスト
しつこいようですが、もう一本ご覧ください。
My Foolish Heart (Victor Young arr.Martin Wind) Martin Wind Quartet and O.F.M.
オーケストラとの共演であるこの一連の演奏は彼の最新のアルバムとしてリリースされています。このアルバムから「Turn out the Stars」と「Memory of Scotty」をお聴きください。
New Folks
以前にも紹介しましたが、ギタリストのフィリップ・キャサリン(Philip Catherine)との共演アルバム「New Folks」から「Fried Bananas」と「Old Foks」の二曲をお聴きください。
Tender Waves
最後に、バップジャズのアルバムもご紹介します。アルバム「Tender Waves」から「You are My Everything」と「Tender Waves」の二曲をお聴きください。