マックス・ローチ(Max Roach):ビバップ発展の功労者
やはり彼は名ドラマー
ブラウニーとの双頭コンボ
マックス・ローチ(Max Roach)と言えば、まず最初に頭に浮かぶのが、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)との双頭クインテットですね。私自身もジャズのレコードを聴くようになったごく初期に買ったのがこのクインテットのレコードでした。「Study in Brown」「at Basin Street」等でした。当時のジャズ界では最も若く最も先進的なコンボでした。しかし、このコンボは、クリフォード・ブラウンとピアニストのリッチー・パウエル(Richie Powell)を交通事故で同時になくしたことによりわずか二年で消滅することになってしまいます。マックス・ローチはショックのあまり一時期酒浸りの生活に陥ったという話です。
Clifford Brown and Max Roach at Basin Street
クリフォード・ブラウンとの双頭クインテットから聴いていただきましょう。「Clifford Brown and Max Roach at Basin Street」から「Love Is a Many-Splendored Thing」と「Flossie Lou」の二曲をお聴きください。
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メンバーは下記の通りです。
Clifford Brown - trumpet
Sonny Rollins – tenor saxophone
Richie Powell – piano, celesta
George Morrow – double bass
Max Roach – drums
多くのレーベルで録音
ドラマーが他のミュージシャンのサイドマンとして多くの録音に参加するというのはある意味当然のことですので、その場合数多くの異なったレーベルでの録音が残されることになります。でも、自分名義の録音ということになると、ある程度レーベルは限定されることが予測されます。ところが、マックス・ローチの場合、自分名義のアルバムでもレーベルが多岐にわたっていることに、今回このブログを書くにあたって彼のディスコグラフィーを見て気付きました。彼はチャールズ・ミンガス(Charles Mingus)とDebutというレーベルを1952年に立ち上げていますので、そのレーベルが多いのかなと思っていたら彼名義のアルバムではデビュー・アルバムの一枚だけでした。これも不思議です。ブラウニーとの双頭コンボの影響でしょうか、初期はEmArcyがある程度多いのはうなずけますが、それ以降は多い少ないはありますが、非常に多くの異なったレーベルで録音しています。偶然なのかもしれませんが、ちょっと気になります。
歴史的名盤に参加
多くのミュージシャンと共演していますが、1962年にデューク・エリントン(Duke Ellington)、チャールズ・ミンガス()とのトリオで録音された歴史的名盤「Money Jungle」があります。このアルバムから「Money Jungle」と「Solitude」をお聴きください。
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マックス・ローチの挑戦
マックス・ローチは1984年に「Survivors」というアルバムをリリースします。そのアルバムで彼はとんでもないパフォーマンスを試みます。アルバムは全7曲で構成されていますが、一曲目の「Survivors」は2128の長尺ですがヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの弦楽トリオとの共演、残りの6曲は2~5分のドラムソロでの演奏というものでした。最後にこのアルバムを聴いていただきましょう。「Survivors」と「Billy the Kid」の二曲です。