チャールズ・ミンガス(Charles Mingus):怒れるベースの巨人
ミンガス・ミュージックというしかない
D. エリントンからクビになっちゃった
今回は、チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)ですが、前回のデューク・エリントン(Duke Ellington)から何故つながるのかと言うと、チャールズ・ミンガスはデューク・エリントン・オーケストラをクビになった珍しい人だからです(笑。デューク・エリントンは温厚で、めったにクビになどしなかったそうですが、ミンガスの喧嘩っ早い性格だけは許さなかったというお話が残っています。しかし、それにも関わらず、ミンガスはエリントンを一生敬愛していたといいますから、クビになった時はいかにショックが大きかったかと可哀想になってしまいますね。
引用元:http://pastdaily.com/2014/10/05/charles-mingus-live-at-newport-1956-1959-1971-past-daily-downbeat/
有り余る才能があった
ミンガスはなんだか複雑な混血みたいです。単純にアフリカ系黒人というわけではないようですが、人種差別で苦労したみたいです。差別主義を徹底して憎悪してたようですね。常に怒っていたというのもその辺に原因があるんでしょうか。バンドのメンバーをささいなことで殴って怪我をさせたり、観客に対して暴言を吐いたり、その手の話は枚挙に暇がありません。精神に障害があったという話まであります。しかし、そうでありながらも業界から干されることもなく、優秀なメンバーを集めて数多くの傑作を作り上げたのですから、マイナスイメージを差っ引いても有り余る才能をみんなが認めていたということなんでしょうね。ただ、彼が創りだす音楽は、その時代の音楽ではなく、その後の音楽とも言えない「チャールズ・ミンガスの音楽」でした。世の中がバップジャズで浮かれている1956年に「Pithecanthropus Erectus」をリリースします。その中から「A Foggy Day」と「Love Chant」をお聴きください。
メンバーは
Charles Mingus – bass
Jackie McLean – alto saxophone
J. R. Monterose – tenor saxophone
Mal Waldron – piano
Willie Jones – drums
ミンガスとエリック・ドルフィー
ミンガスはエリック・ドルフィー(Eric Dolphy)を重用しました。ミンガスが時代を超越した「ミンガス・ミュージック」を創りあげたのだとしたら、ドルフィーも後にも先にもドルフィーしか創りあげていない独特の世界を持っていることでミンガスに大きなインスピレーションをもたらす存在であったと考えます。1960年リリースの「Charles Mingus Presents Charles Mingus」より「Original Faubus Fables」と「All the Things You Could Be by Now If Sigmund Freud's Wife Was Your Mother」の二曲をお聴きください。
- アーティスト: チャールズ・ミンガス,ダニー・リッチモンド,エリック・ドルフィー,テッド・カーソン
- 出版社/メーカー: キングレコード
- 発売日: 2001/11/29
- メディア: CD
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メンバーは下記の通りです。
Charles Mingus – bass
Ted Curson – trumpet
Eric Dolphy – alto saxophone and bass clarinet
Dannie Richmond – drums
Mingus at Carnegie Hall
ミンガスは自分の音楽を表現するにあたっては、変幻自在の構成をとりました。それこそ、ソロから少人数のコンボ、大規模なオーケストラ仕様まで様々な構成で表現しました。最後に9人編成で録音したアルバム、1974年リリースの「Mingus at Carnegie Hall」から「Perdido」をお聴きください。
メンバーは下記の通りです。
Charles Mingus - bass
Jon Faddis - trumpet
Charles McPherson - alto saxophone
John Handy - tenor saxophone, alto saxophone
George Adams - tenor saxophone
Rahsaan Roland Kirk - tenor saxophone, stritch
Hamiet Bluiett - baritone saxophone
Don Pullen - piano
Dannie Richmond - drums
強烈な迫力で精神が揺さぶられます。