カウント・ベイシー(Count Basie):スイングの神様!
最もジャズった人でした
スイング感とグルーヴ感
ジャズが他の音楽と異なる表現手段を持つことの一つに「スイング感」というものがありますが、このスイング感がどのように表現されるかについてはなかなか納得いく説明が得られません。このスイングの権化のようなミュージシャンがカウント・ベイシー(Count Basie)であり、カウント・ベイシー・オーケストラであることはみなさん異存はないのではないでしょうか。そのサウンドは独特のうねりを伴いますが、そのうねりが「グルーヴ感」と言われるものなのでしょう。このようなジャズ独特の表現、「スイング感」「グルーヴ感」等はカウント・ベイシーが存在したからこそ認識出来、ジャズが他の音楽と異なる特異なジャンルであることの証明となるのです。
スイング感の検証
どうすればスイング感が得られるのかということが、私の店に出演するミュージシャンの間で話題になった時のこと、その検証に用いられたアルバムがあります。それがカウント・ベイシーの「Count Basie and the Kansas City 7」でした。まずはそのアルバムから「Oh, Lady Be Good!」と「Tally-Ho, Mr. Basie!」の二曲をお聴きください。
- アーティスト: カウント・ベイシー,サド・ジョーンズ,フランク・フォスター,フランク・ウェス,エリック・ディクソン,フレディ・グリーン,エド・ジョーンズ,ソニー・ペイン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2011/06/22
- メディア: CD
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一応メンバーを記しておきます。
Count Basie – piano, organ
Thad Jones – trumpet
Frank Wess – flute, alto flute (tracks 2, 6 & 8)
Frank Foster – tenor saxophone, clarinet (tracks 1, 3-5 & 7)
Eric Dixon – tenor saxophone, flute, clarinet
Freddie Green – guitar
Eddie Jones – bass
Sonny Payne – drums
スイング感、グルーヴ感に満ち溢れた演奏ですが、これを聴いた店のミュージシャンは全員口をそろえて「これ、僕たちには無理!(大笑」でした。「この感覚、日本人には絶対に無理!ヨーロッパ人にも無理!アフリカ系黒人にしか出来ない!!」と言い切ります。何故でしょう?この検証会をした時の「スイング感やグルーヴ感はどうして生まれるのか?」についてのとりあえずの結論は「プレイヤー各々のリズムのピークがほんのわずかだけど微妙にずれているから起こる現象である」ということです。このビート感覚は「ビートをきちっと合わせようとする」と生まれないというのです。ビートに対してきちっと感覚を持っていてなおかつ個々のビート感覚がほんのわずかずれていると起こってくるというのです。「これはメトロノームで練習しないといけない我々には不可能」「メトロノームが個々の身体の中に持つから可能」だということでした。わかったようなわからないような結論でした(汗。
Live in Japan '78
さてさて、小難しい話はこれぐらいにして、次に「Live in Japan '78」から聴いていただきましょう。「The Heat's on」と「Basie」の二曲です。
少し多いですけど、メンバーを記しておきます。
Count Basie - piano
Sonny Cohn - trumpet
Pete Minger - trumpet
Waymon Reed - trumpet
Norman Smith, Jr. - trumpet
Dennis Wilson - trombone
Alonzo Wesley, Jr. - trombone
Bill Hughes - trombone
Mel Wanzo - trombone
Bobby Plater - alto saxophone
Danny Turner - alto saxophone
Eric Dixon - tenor saxophone, flute
Kenny Hing - tenor saxophone
Charlie Fowlkes - baritone saxophone
John Clayton - double bass
Freddie Green - guitar
Butch Miles - drums
となっています。
パブロからのトリオ盤
「Live in Japan '78」もそうなんですけど、カウント・ベイシーも晩年はパブロからのリリースが主でした。やはりヴァーブ華やかかりし時代に活躍したジャズマンはノーマン・グランツの元に戻るんですね。パブロからレイ・ブラウン(Ray Brown)、ルイ・ベルソン(Louie Bellson)とのトリオで録音した「For the First Time」をリリースしています。そのアルバムから二曲お聴きください。「I'll Always Be in Love With You」と「As Long as I Live」です。