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ドルフィーのバスクラを聴け

ジャズ(Jazz)を中心とした洋楽を、アップルミュージック(Apple Music)で聴けるように紹介していきます。

ブルーノート考

レビュー ヒストリー

 一人の男の夢の形

 レーベルを語っちゃう

我が国のジャズファンの悪癖(?)の一つに「レーベルを語る」つうのがあります(笑。かくいう私も散々語ってきました(汗。ジャズに興味のない人からすれば全く理解出来ない現象ですよね。実際、よくよく考えると、そこまで熱く語ることなの?と思わないでもありません。しかし、やっぱり語ってしまうのです。特に、ブルーノートというレーベルに関しては語らずにはいられないので今回は少し語らせてもらいます。我慢して聞いてやってください。

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引用元:http://www.bluenote.com/spotlight/the-real-mccoy

 アルフレッド・ライオンのこと

「日本のアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)になるんや!」と、これはジャズ喫茶マスターやってた時の私の口癖(大汗。アルフレッド・ライオンとはブルーノートを作った方です。写真の右側の人物(左はもちろんマッコイくんです)がアルフレッド・ライオンその人です。ユダヤ系ドイツ人で、アメリカに移住しました。後のユダヤ人迫害が理由ではなく、アメリカ文化に憧れていたことが当初の理由のようです。30歳の頃、カーネギーホールで開かれた黒人アーティストを集めて行われた、当時としては画期的なコンサートを観てレコード会社を立ち上げようと決意し、翌年ブルーノート・レコードを設立しました。それからの紆余曲折、波乱万丈の物語は話せば長くなるしここで語るのは本意ではないので省略しますが、結果的にビバップ以降のモダンジャズに大きな足跡を残すことになります。

 驚愕の1500番台

ブルーノートと言えばまず最初に語られるのが「1500番台」のことです。1501, 1502の「Miles Davis Volume 1, Volume 2」から始まって、1599のBennie Green「Soul Stirrin'」までのシリーズです。ビバップを支えたミュージシャンの多くがこのシリーズに参加し、すべてが名盤と言われる偉業がなされました。どれか一枚ということになると本当に迷ってしまいますが、1500番台のど真ん中1550番を聴いてみましょう。Hank Mobleyの「with Farmer, Silver, Watkins, Blakey」です。ブルーノート初期のレギュラー揃い踏みみたいでいいんじゃないかと。そのアルバムから「Funk in Deep Freeze」と「Wham and They're off」の二曲をお聴きください。

 

Hank Mobley Quintet

Hank Mobley Quintet

 

 

Funk In Deep Freeze

Funk In Deep Freeze

 

Wham and They're Off

Wham and They're Off

 栄光の4000番台

1500番台の後に続くのが4000番台で、4001番のSonny Rollins「Newk's Time」から始まりました。このシリーズが実質ブルーノートの主力商品となり、数々のヒットをうむことになります。しかし、経営的には不安定な状態が続きました。レコードを出荷しても、その売上金を回収出来るのは次のヒットが生まれてからという独特の商習慣に苦しめられ、1965年にリバティーレコード(Liberty Records)の傘下に入ります。経営的には安定しますが、アルフレッド・ライオン自身は体調も崩し、しばらく活動した後1967年に身を引きました。

大手のリバティーの傘下に入ったことで、アメリカ以外でもプレス出来るようになり、日本でも輸入盤以外に国内盤で手に入るようになったのですから生みの親が引退するというマイナスが日本のジャズファンにとっては怪我の功名と皮肉な結果になりました。

その後もブルーノート・レーベルとしてリリースは続きますが、アルフレッド・ライオンが引いてからは、ガチガチにストイックな姿勢は若干軟化し、他のレーベルとの差別化は薄れていきました。

リバティー傘下に入る少し前のリリースで4194番のWayne Shorter「Speak No Evil」を聴いてください。「Fee-Fi-Fo-Fum」と「Speak No Evil」の二曲です。

 

 

Fee-Fi-Fo-Fum

Fee-Fi-Fo-Fum

 

Speak No Evil

Speak No Evil

 デザインと録音

ブルーノートが質の高いアルバムとなったのはもちろんアルフレッド・ライオンの企画力に負うところが大きいことは言うまでもありませんが、共同経営者となったフランシス・ウルフの存在も忘れてはならないでしょう。彼のサポート無しではアルフレッド・ライオンの仕事も継続は困難であったと思われます。それとフランシス・ウルフの大きな功績として、彼が撮影した膨大な量の写真があります。レコーディングやリハーサルの様子を克明に写真に収め、それをジャケ写や広告に使用出来たことがブルーノートのジャケットの質を高め今でも人々を惹きつけてやまないのです。また、貴重な資料としての価値も計り知れません。また、ジャケット・デザインを担当したリード・マイルス(Reid Miles)の存在も大きいですね。それと、忘れてはならないのがルディ・ヴァン・ゲルダー(Rudy Van Gelder)です。彼はフリーの録音技師ですからブルーノート以外でも優れた録音を数多く残していますが、ブルーノートとの関係が一番濃かったと言えます。

では最後に、ジャケット・デザインでお気に入りの4063番、Kenny Dorham「Whistle Stop」から「Sunset」と「Windmill」の二曲をお聴きください。

 

Whistle Stop

Whistle Stop

 

 

Sunset

Sunset

 

Windmill

Windmill