オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson):鍵盤の皇帝
超絶技巧でスイングの鬼
誰でも知っている
昔からどうしてもわからない不思議なこととして、「オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)は、あんなグローブのような手で何故あのように華麗で繊細で驚くようなスピードでピアノが弾けるんだろうか?」というくだらない疑問を持っているのであります(大笑。くだらないけど、結構マジです。
私はジャズなどまだ全然知らない幼少期から何故か「オスカー・ピーターソン」という名前は知っていました。今から思うと不思議なんですが、それだけ日本ではポピュラーなミュージシャンだったということでしょうか。
引用元:http://www.latimes.com/entertainment/music/la-ca-ms-oscar-peterson-20151115-story.html
順調なレコーディング
オスカー・ピーターソンはカナダ人であることは周知のことですが、そのカナダからノーマン・グランツ(Norman Granz)にスカウトされてニューヨークに登場したのは既に彼が24歳の時でした。若い頃の下積み生活をニューヨークで送らなかったことが他のジャズミュージシャンと違う雰囲気を彼に与えていたことはあながち間違っていないことなのかもしれません。24歳という若干出遅れた感があるにもかかわらず、初期のノーマン・グランツによる肩入れもあった為か、順調なレコーディング実績を積み重ね、生涯に200をゆうに超えるアルバムをリリースしています。
オスカー・ピーターソン・トリオ
オスカー・ピーターソンと言えばオスカー・ピーターソン・トリオとして活動したことが印象的ですが、そのトリオもメンバーはたびたび入れ替わりました。しかし、何と言ってもそのきっかけとなった最初のトリオ、すなわちベースのレイ・ブラウン(Ray Brown)とギターのハーブ・エリス(Herb Ellis)と組んだオスカー・ピーターソン・トリオが重要でしょう。そのトリオでライブ・レコーディングした「Oscar Peterson at the Stratford Shakespearean Festival」から「Falling in Love with Love」と「How High is the Moon」の二曲をお聴きください。
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MPS時代
ノーマン・グランツのヴァーヴ・レコード(Verve)で多くのキャリアを積んだ後、一時ドイツのMPSに籍を置いていたことがあります。私はその時のオスカー・ピーターソンの演奏が一番好きです。以前、ミルト・ジャクソン(Milt Jackson)のアルバムとして「Reunion Blues」というオスカー・ピーターソンとの共演アルバムを紹介しましたが、これもMPSからのリリースでした。そんなMPSのアルバム「Travelin' on」から「Travelin' on」と「Sax No End」をお聴きください。
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パブロ時代
MPSの後、しばらくしてまたノーマン・グランツの元に戻ります。ノーマン・グランツが立ち上げた「パブロ(Pablo Records)」です。前回のサラ・ボーンのアルバムもその時代のものです。また、パブロではペデルセンともたびたび組んでいます。そんな中からパブロ初期のグラミー賞受賞アルバム「The Trio」から「Easy Listenin' Blues」と「Secret Love」をお聴きください。
なにせ膨大な量のアルバムの中から数枚を選ぶのは容易ではありませんが、彼の素晴らしさはどのアルバムを選んだとしてもわかっていただけるものと思います。調子の波が非常に少ないというかいつもハイテンションで完璧というのが「鍵盤の皇帝」たるオスカー・ピーターソンの素晴らしさです。
では次回はジョー・パスです。