スタンリー・カウエル(Stanley Cowell):自らが傍流に身を置いた?
現代ニューヨーク・ジャズの原点を作ったんだよ
Strata-Eastを立ち上げる
1970年代のジャズシーン、大手レコード会社のみならず従来のマイナーレーベルもコマーシャリズムに流されていく中、ニューヨークの若いジャズ・ミュージシャンたちが新たなジャズ・ムーヴメントを起こそうと様々な試みを起こすようになります。そんな中ピアニストのスタンリー・カウエル(Stanley Cowell)とトランペッターのチャールズ・トリバー(Charles Tolliver)がストラタ・イースト(Strata-East)というレーベルを立ち上げました。そこで多くの若い才能を集め多くの素晴らしいレコードを作り上げました。しかし、残念なことにこれらの作品はアップルミュージックで聴くことは出来ません。
引用元:http://tower.jp/article/feature/2010/02/26/3374/3377
Music Inc. の誕生
スタンリー・カウエルとチャールズ・トリバーはStrata-Eastを立ち上げる一方、Music Inc.というグループも立ち上げ、活動しました。Strata-East盤以外に来日公演のアルバムがありますのでお聴きください。「Truth」と「Effi ~ Round about Midnight」の二曲です。
- アーティスト: ミュージック・インク,チャールズ・トリヴァー
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来日の時、日本では「Charles Tolliver & Music Inc.」という扱いですが、あくまでもチャールズ・トリバーとスタンリー・カウエルの双頭バンドというのが本当のところであったようです。
初リーダーアルバム
スタンリー・カウエルの初リーダーアルバムが「Brilliant Circles」という名盤で、このアルバムでボビー・ハッチャーソンに繋がるわけです。お聴きください、「Brilliant Circles」と「Bobby's Tune」です。
敢えて傍流に身を置く
チャールズ・トリバーは一番活躍しなければならない時期にメインストリームを歩かず、自ら立ち上げたレーベルを中心に活動し、他のミュージシャンのプロデュース等に明け暮れたようです。もし、そうではなく大手レコード会社と契約して活動していたとすれば、他のビッグネームと同様にもっと脚光を浴びていたことでしょう。しかし、敢えて傍流に身を置き現場のジャズのために働きました。でも、現在のニューヨークのジャズの原点は確実に彼と彼とともに当時活動したミュージシャン達にあったと言えます。
その後のスタンリー・カウエル
1993年にリリースした「Travellin' Man」から「The Shuttle」と「Travellin' Man」をお聴きください。
彼は現在も第一線で活躍しています。今後、遅ればせながら脚光を浴びて活躍することを大いに期待しています。最後に最近の録音(2014年リリース)アルバム「Are You Real?」から「Photon in a Paper World」と「Are You Real?」をお聴きください。