ゲイリー・バートン(Gary Burton):バークリーの学長までやっちゃいました
ヴィブラフォンは高度な楽器である
30年間バークリーの先生でした
チック・コリア(Chick Corea)つながりでゲイリー・バートン(Gary Burton)にきてしまいました。
ゲイリー・バートンは母校のバークリーで1971年から教鞭をとっています。彼がバークリー在学中は、バークリーは「バークリー音楽院」と呼ばれていてまだ大学ではありませんでした。彼が教鞭をとる一年前の1970年に「バークリー音楽大学」となります。クラシックはジュリアード、ジャズはバークリーというのがアメリカの音楽教育ですね。私が「マイルス学校」と表現したように、一昔前までは、マイルス・デイヴィス(Miles Davis)のような先輩が「on the job training」で若手を育てるというのがジャズ教育でしたが、これからは正式な教育機関がアーティストを育てる時代になるでしょうね。
引用元:http://blogs.yahoo.co.jp/nonkig3/55520566.html
実際、現在ニューヨークや世界のジャズシーンで活躍している若手はバークリー出身者が多いのが実情です。日本人の留学も多く、今話題の上原ひろみもバークリー出身ですよね。日本でも音楽大学の中にジャズ専攻科を置いている大学も多いですが、ジャズ専門の大学というのはありません。ちなみに神戸の甲陽音楽院がバークリー大学と提携して単位の交換制度もあるようです。
そのような世界のジャズ教育を引っ張っているバークリー大学でゲイリー・バートンは30年間も教鞭をとり続け最後には学長までやったということです。
「Alone at Last」でグラミー賞
私がゲイリー・バートンを知ったのは、「Alone at Last」というアルバムからでした。このアルバムはソロ・アルバムですが、聴いてみるとヴィブラフォン以外にピアノやオルガンも参加しています。最初聴いた時「あれ?ソロちゃうやん」と思ったのですが、実はオルガンやピアノもゲイリー・バートンが演奏していてダビングしたということです。このアルバムで1972年にグラミー賞を受賞しています。
ではこのアルバムから聴いてください。「Hand Bags and Glad Rags」と「Chega de Saudade (No More Blues)」の二曲です。
やはりチック・コリアと
前回のチック・コリアのお話にも書いた通り、ゲイリー・バートンといえば即頭に浮かぶのが「チック・コリアとの共演」です。これは仕方ありません。だからここでも共演盤からご紹介します。2008年2月リリースの「The New Crystal Silence」から「La Fiesta (Orchestral Version)」と「Sweet and Lovely」
まだまだ活躍しまっせ
2009年5月リリースの「Quartet Live」というアルバムがあります。このメンバーが凄い!ギター:パット・メセニー(Pat Metheny)、ベース:スティーブ・スワロー(Steve Swallow)、ドラム:アントニオ・サンチェス(Antonio Sanchez)!!
このアルバムから聴いてください。「B and G (Midwestern Night's Dream)」と「Question and Answer」です。
大学のセンセイとして
バークリーの先生ですから、若い優秀な逸材がいれば、その才能を開花させるようにサポートするのは当然です。そして日本から来た才能、小曽根真を見出します。彼をチック・コリアに紹介し、チックとともに小曽根青年をサポート、デビューさせます。
その小曽根真とは何枚か師弟共演盤をリリースしています。
アルバム「Virtuosi」から「Le tombeau de Couperin I」と「Something Borrowed, Something Blue」の二曲をお聴きください。
ここまでお聴きいただいて感じていただいたと思うのですが、ゲイリー・バートンはヴィブラフォンというある意味特殊な楽器の可能性を大きく広げたところに大きく貢献しました。