一人の男の夢の形 レーベルを語っちゃう 我が国のジャズファンの悪癖(?)の一つに「レーベルを語る」つうのがあります(笑。かくいう私も散々語ってきました(汗。ジャズに興味のない人からすれば全く理解出来ない現象ですよね。実際、よくよく考えると、…
永遠の命題 真剣に考えよう 40年以上、ジャズという音楽に付き合ってきて、おまけにジャズ喫茶までやって(すぐに頓挫しましたが)しまって、自分ではそれほどでもないと思っていても「ジャズに詳しい」なんて思われていて、やっぱり「ジャズを聴きたいんだ…
最小単位の完成形 トリオでの組み合わせ ジャズにおけるトリオというのは、ピアノ+ベース+ドラム、という、所謂「ピアノトリオ」が一般的です。しかし、有名なオスカー・ピーターソン・トリオ(Oscar Peterson Trio)は長い期間、ピアノ+ギター+ベースと…
レイ・ブラウンは常にジャズの中心にいた ディジー・ガレスピーのベーシスト レイ・ブラウン(Ray Brown)はエラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)と結婚していたんですよね。今思うと、凄い夫婦ですね。 レイ・ブラウンはハイスクール時代からピッツ…
見た目と演奏は大違い 2000年頃からメジャーに ある日、YouTubeをぼんやり観ていたら、突然野球帽を被った農家のおっちゃん(そう見えた)が出てきて、やおらギターを弾きだしたら、やたらめったらカッコイイギターで、度肝を抜かれました。そのお方こそウル…
多くの共演者を引き立てました 脇役の見本 ギターって、ロックなんかでは一番中心となる楽器ですよね。ロックに限らずポップスというような洋楽の大半では中心で目立つ存在です。ところが、ジャズに限っては少し地味で脇役的存在になっています。パット・メ…
超絶技巧でスイングの鬼 誰でも知っている 昔からどうしてもわからない不思議なこととして、「オスカー・ピーターソン(Oscar Peterson)は、あんなグローブのような手で何故あのように華麗で繊細で驚くようなスピードでピアノが弾けるんだろうか?」という…
ポップス歌手になりたかった? ジャズボーカルの印象 サラ・ボーン(Sarah Vaughan)との出会いはクリフォード・ブラウン(Clifford Brown)の有名なアルバムでした。私が買った初めてのボーカルアルバムでした。それまでジャズボーカルと言えば、白人のきれ…
貫禄が違いますがな 今更ですが ボーカルつながりで、エラ・フィッツジェラルド(Ella Fitzgerald)さまに来てしまいましたが、彼女のことは私などが語らなくとも既に語り尽くされているわけでして、今更なところがありますが、少しお付き合いください。 彼…
若い頃は美しかったの 特異なボーカル シーラ・ジョーダン(Sheila Jordan)は前回のデューク・ジョーダン(Duke Jordan)の元奥方ということで今回取り上げました。婚姻関係にあったのは1952年~1962年の約十年間ぐらいでしたので、今更何をということなん…
結局ヨーロッパが良かったのね 喧嘩無敗の男 デューク・ジョーダン(Duke Jordan)の「デューク」は何故ついたのか?デューク・エリントンの「デューク」はわかりますよね?これは「デューク」だからです。しかし、デューク・ジョーダンはエリントンが既にい…
アメリカとヨーロッパを渡り歩いた 麻薬から逃れて渡欧 豪快なサックスを吹く印象があるデクスター・ゴードン(Dexter Gordon)ですが、彼の実像を伝え聞くと、繊細で心優しい男性であったことがわかります。また、背が非常に高かった(1m 98cm)ことでも有…
ペデルセンとの出会いが彼の後半生を変えた コペンハーゲンで華開く 前回のペデルセン(Niels-Henning Ørsted Pedersenn)で述べたように、ケニー・ドリュー(Kenny Drew)を素晴らしいピアニストであると初めて認識したのは「Dark Beauty」においてでした。…
ベースをフロントに出しちゃった 聴いたことのない音 ニールス・ペデルセン(Niels-Henning Ørsted Pedersen)に出会ったのもジャケ買いしたレコードでした。学生時代、いつものようにレコードを漁っていると、輸入盤の中に見慣れないジャケットのレコードを…
ジャズベース界の中心的存在 ベースの立場 現在のジャズにおけるベースというパートの立場はバップジャズにおけるそれと比較にならないほど重要なものとなっています。あの時代のベースとドラムはあくまでもリズムのキープとコード上のアンサンブルとしての…
八面六臂の大活躍 日本、大好きだ 私がやっていた店(ジャズ喫茶)のお客様で、当時25歳前後の男性が「ニューヨークJAZZ旅行」をやったんですよ。ある日憧れの「スモールズ」に行って楽しんでいた時のこと、ステージの合間にトイレに行ったそうです。小用を…
順調すぎるのが唯一の欠点 ジャズ界一のインテリ ジョシュア・レッドマン(Joshua Redman)は1969年生まれです。前回のクリス・ポッター(Chris Potter)は1971年生まれですから、ジョシュア・レッドマンの方が2歳年上ということになります。これにはちょっ…
ジャズ界の重鎮になること間違いなし 黒っぽいサックス クリス・ポッター(Chris Potter)は元旦生まれです。いや、別に、それだけなんですけど(汗。クリス・ポッターと初めて会ったのもYouTubeでした。その時の感想は「男前やな~~。せやけどエライ過激に…
ドラムの革命が始まった 衝撃的な映像 ある日、私がやっていた店で、プロジェクターで映していたYouTubeの画像を何気なく観ていたら、ボサボサの髪でおまけに禿が進んでいる、見るからに「冴えない」おっさんが画面に映って、ドラムに座って何やらレクチャー…
ビッグネーム不在だけどおもしろい ネットで探すしかない ジャズをリサーチする場合、昔ならスイングジャーナルを始めとしたジャズ雑誌で基本的な情報を仕入れ、気になったアーティストの新譜をジャズ喫茶でチェックするというような流れでよかったわけです…
ジャズに無限の可能性を与えたんだ へそまがりなんだろうね どんな世界にも現状否定したがる人っているものです。みんながワイワイ「そうだそうだ、これがいい、あれがいい!」と和気あいあいで盛り上がっている時、それを横目で睨みながら「そうかな~、そ…
その人生は、あまりにも悲しい結末 ジャズは彼から始まった バド・パウエル(Bud Powell)は1924年にニューヨークに生まれました。音楽一家で、トランペット奏者の兄のバンドでピアノを弾くようになったのは15歳の頃でした。当時はアート・テイタム(Art Tat…
記憶とアルバムの中で生き続ける 美人薄命 「美人薄命」と申します。また、「天才は夭折する」という言葉もあります。そんなことは限らないとはわかっていても、惜しまれつつ、若くして亡くなる天才たちは古今東西、枚挙にいとまがありません。 夭折というの…
ロリンズはロリンズであり続けたのね 真面目で気弱だったんでしょうね ソニー・ロリンズ(Sonny Rollins)は1930年9月にニューヨークで生まれました。幼い頃から音楽に親しみ、ハイスクール時代にはジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)やケニー・ドリュ…
堅実に一歩一歩ビッグネームに 実はロリンズをリスペクト 本当に凄い兄弟ですよね。前回、弟のウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)が歴史に残る的なことを書きましたが、この兄弟は「史上最も偉大な兄弟」として歴史に残るでしょう。 そんなブランフ…
ジャズの混乱を一気に収束させた 音楽をするために生まれ育つ ウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)は1961年にニューオリンズに生まれ、音楽一家の中で成長しました。「Wynton」という彼の名前は父親のエリス(Ellis Marsalis)がウイントン・ケリー(…
音楽一家じゃないよ。音楽一族だよ 彼も尖って出発した チコ・フリーマン(Chico Freeman)も前回のアーチー・シェップ(Archie Shepp)と同じように、出発は十分尖っていました。そして同じようにある時丸くなり、同じようにコアなジャズファンから非難され…
トシとって丸くなりましたね 若い時は怒ってました アーチー・シェップ(Archie Shepp)が紹介される時、今でも「アヴァンギャルド」「フリージャズ」などの形容詞がついて回ります。確かに若い頃のアルバムはメッセージ性も強く、内容も当時のジャズ界にあ…
本国よりもヨーロッパ・日本で人気のピアニスト マル・ウォルドロンとの出会い エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)との出会いについては以前述べました。アルバム「Last Date」と偶然出会い衝撃を受けました。エリック・ドルフィーのことについてもっと知…
私はジャッキー・マクリーンを知らなかった かたよった印象 今回この稿を書くにあたって、私はジャッキー・マクリーン(Jackie McLean)というジャズマンの仕事を見返してみました。そうすると、今までジャッキー・マクリーンのことを何も知らなかったことに…